実物 九九式短小銃 小倉第二工廠 遊底覆 (ダストカバー) KTW_九九式短小銃 2014年08月19日 今回はダストカバーです。 遊底止と同時に記事を書いています。 ◯構造について 上実物、下KTW製 後に詳しく書きますが、この仕上げはオリジナルのようです。 このダストカバーのチャキーンというけたたましい音は、実はダストカバーにガタツキがあるからです。 しっかりフィットするように折り曲げてみればそのようなノイズは出ないと思います。 KTW製はガバガバなのでその点少し手を加えてみても良いかもしれません (youtubeで聞く限り実物にはノイズが殆ど無いみたいです。) 尚この実物はKTW製のレシーバに全く噛み合わず、ガバガバとかキツキツとか以前の問題でした。 このことからダストカバーのレール溝は部品同士の擦り合わせで彫ったと思われます。 ですから、部品ごとに別個に生産してそのまま組み立てただけというわけでは無いみたいです。 尚、レシーバーに無理やり装着しようして傷つけた部位、数知れず 悲惨です 穴の形状もしっかりのこっています ツメの無いタイプになります。 九九式であっても、極初期型は遊底を出来るだけ隠すための配慮で溶接のツメがついています (三八式はリベット留めのようです) このダストカバーの生産時期は不明ですが、ツメ無しタイプの遊底覆が装着された初期型もあったみたいです。 実は、初期型といえども対空照尺と単脚が装備された物は1943年まで生産されていました。 中期型は43年-44年の中頃までで、生産数全体から言えば中期型が一番少ないものとなります。 また末期型は44年-45年までの生産となるものの、粗製乱造と工場数が増えたことにより生産数が一番多くなっています。 末期になると、未処理のものを部隊に送りつけ金物ヤスリで加工させたとも言いますので目茶苦茶やっていたのは想像に固く有りません。 三八式用と九九式用で長さが違うというのはもはやご存知かと思いますが、実は九九式ようにおいても、違う長さの物もあるようです。 後期には短くなったということでしょうか また、末期になると生産向上のため、また南方が主戦場になったこともあり ダストカバーを取り付けるレールすら廃止されたものもあります。 そしてこれは末端部の折り返しになります。 左実物、右KTW 実物の折り返し部はツライチに加工されていたのですが、バイスで締め付ける内に割れてしまいました。 残念でなりません。 レール部のこの通り 全くもって丁寧な仕上げです。 見た目は単純ですが、細いところに手が入っています。 この部分もハンマーで殴ったりしていますので、ボコボコになっている部分があります。 実に残念でなりません 刻印はこのように打たれています。 それでKTW製と実物の比較ですが、根本的なところでは厚みが違うようです 実物は1mm KTW製は0.3mm です。 たまに実銃用複製品とかいうのがヤフオクで出品されていますがあれはどうなっているんでしょうか 気になるところではあります ◯仕上げについて 下が再仕上げ、上がオリジナル 両面ともに実物オリジナルのブルーイング仕上げです。 ブルーの色合いは、生産時期だけでなく、工場によっても異なります。 (初期型のみ 中後期になると何処の製造所も真っ黒染です。) 上の用心金も遊底覆と同じ小倉工廠製です。 小倉工廠製は鳥居松の藍色や東洋工業の黒色のような色合いと比べて水色っぽい色合いです。 このようになるのは、恐らく表面処理、ブルーイングの工程にかける時間と濃度の関係だとは思いますが、詳しいことは不明です。